「ねえねえ、聞いてよ!」

朝から何やら騒がしいチャットのスタート。
セレ子が私に聞いて欲しい話はだいたいマトモな話題じゃない。だけど、仕事柄、自由な時間に生きる私は(暇つぶしも兼ねて)セレ子のたわごとに毎回キチンとお付き合いする。

「なに?」

冷静に返す。

S(セレ子)「姉たまってさ、自由奔放に生きてるじゃない?」
Y(夕美)「まあ、そうね」
S「ゆえに、自分の本能や欲望に忠実」
Y「我慢しない。できないしさ」
S「ワガママでキマグレ」
Y「なによ、悪口?」
S「でさ、個性的、ユニーク、変わり者」
Y「よく、言われます」
S「だから、この人なに考えてるの?ってなるでしょ。掴みどころがないのよ」
Y「自分でも自分のこと分からない時があるからね」
S「執着心がない!」
Y「っていうか、依存度が低いの」
S「1人の男だけに執着しないし」

最近まで元カレのこと20年間引きずってたんですけど....

「それは違う!」

と、テキストしかけたところに間髪なく

S「執着しない、できない! 1人の男じゃあ、あなた退屈するじゃない」
Y「でさ、何の話?」
S「姉たまはさ、魔性の女ってことよ!」
Y「ん?」
S「魔性の女って美人とは限らないの。並の容姿のほうが男は油断して気を許すのよ!姉たま、いつでも、どこでも、誰とでもすぐ仲良くなるじゃない。ほら、この間のフランス人どうした?」

どこかの南国みたいに暑い夏の日。いつもの代官山のカフェでセレ子を待つ間、隣り合わせたフランス人と目があってから20分足らずで連絡先の交換。
無精髭と不思議な青い色の目を見てたら、思わず聞いちゃった。

「あなた、どこから来たの?」

気になったら即行動しないと。人生は短い。
早速その晩、彼から連絡が。

「パリに帰る前に会える?」

S「やだあ そのフランス男やる気マンマンじゃない!で、どーしたの?」
Y「仕事入ってて会えなかった」
S「あら、そう」

私以上に落胆しているセレ子の顔が手に取るようにわかる。セレ子は一回り年下の私の妹分。お金に魂を売ったセレ子は、頭の真ん中がハゲた年上の男に嫁いだマテリアル・ゲイ。一生お金に困らない生活を手に入れたヒゲのマダムだ。

S「姉たまは、もっと自由に生きるのよ!」

セレ子の果たせぬ欲望を満たすため、セレ子にとって私は次から次へと男を渡り歩く快楽主義の悪女、永遠のファム・ファタル "魔性の女"でいなくてはならないのだ。
セレコのムダ話で暇つぶしするつもりが、私がセレ子の暇つぶしだ。まったく.....

to be continued...

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